連合の神津里季生会長は6月7日、千葉県で開いた中央委員会であいさつし、労働者代表法制の検討を提起した。併せて、ILO総会で「仕事の世界における暴力とハラスメント」の国際労働基準策定に向けた審議が行われていることにも触れ、セクハラ行為自体を禁止する法規制の導入に全力を挙げると語った。
神津会長は2020年までに「1千万連合」実現をめざす組織化計画に触れ、「残り2年半。取り組みのピッチを極大化しなければならない」と強調。そのうえで、組織化への社会のうねりを起こす必要があると訴え、「集団的労使関係の中心たる労働組合の組織化を進める観点からも、労働者代表法制について政策制度の正面に据えていく必要があるのではないか」と提起した。
労働者代表法制は、組合のない職場にも労働者の意見を集約する機関の設置を義務付ける制度。連合は06年に法案要綱骨子をまとめている。ただ、組織内に慎重論があり、立法化の取り組みは行っていない。
神津会長はILO総会での論議と、労働政策審議会で年内に審議が始まるとみられるハラスメント規制の動向にも言及。「今こそセクハラ行為そのものを禁止する規定や実効性ある履行確保制度を導入し、あらゆるハラスメントのない社会に向けた法改正を全力で進めていく」とした。
●高プロ「極めて遺憾」
高度プロフェッショナル制が削除されないまま働き方改革関連法案が衆院を通過したことについて「極めて遺憾」「過労死、過労自殺の温床を増やすことは絶対に許されない」と語気を強めた。一方、罰則付き残業上限規制と「同一労働同一賃金」法案は十分な審議と遅滞ない成立を求めた。
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