全国過労死を考える家族の会は5月22日、働き方改革関連法案に盛り込まれている高度プロフェッショナル制度の削除と、強行採決阻止を訴え、首相官邸前で座り込みを行った。安倍首相が家族の会の面会申し入れを事実上無視したことにも抗議した。神津里季生連合会長、小田川義和全労連議長、金澤壽全労協議長が激励に駆け付けた。
代表世話人の寺西笑子さんは「高プロ制を法律に定めたら、ますます長時間労働になり、過労死が増える。過労死防止法に逆行する法律を作ろうとしている。防止法違反だ」と批判。「労働者の声を全く無視した法案審議に違和感を覚える。法案の中で一番問題がある高プロ制を十分な審議をせずに通すことに反対する」と述べた。
「炎天下の中、取材中の記者の皆さん、どうぞご自分の体を今一度、見つめ直してください」
NHK記者だった佐戸未和さんを過労死で亡くした母、恵美子さんは報道陣に、こう呼び掛けた。高プロ制で労働時間規制が外されることについて「長時間労働が野放しになり、自己責任とされるのは火を見るより明らか。労災申請ができなくなり、死人が増えても、労災は減る」と問題視した。「戦争でもないのに死者が出る。人の命を奪うような法案を強行採決すべきではない」と訴えた。
「未和の分まであなた方が生きて、生きて、生き抜いてください」と最後まで報道陣に呼び掛けた。
〈写真〉座り込みには、連合の神津会長も激励に訪れた(5月22日、首相官邸前)
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