あなたの組合はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用しているでしょうか?
企業や行政、個人の活動を発信する媒体として欠かせないものとなっており、投稿内容が政治や世論に影響を与えるケースも増えています。
●一部議員の方が活発?
SNSを通じてネットで拡散され、待機児童問題を広く世に問うきっかけになった「保育園落ちた日本死ね!!!」のブログ。リアルタイムの演説動画などの投稿で注目を浴びた立憲民主党のツイッターアカウントなども記憶に新しい。
一方、労働組合のSNS利用は活発だとはいえません。
短文投稿サイト、ツイッターのフォロワー(常に発言を見ている人)数から利用状況を見てみましょう。連合(@unionion)のフォロワー数は2468人、全労連(@zenroren)は4272人(5月9日現在)。
これに対して市民に政策を広めたい国会議員の場合、共産党の小池晃参院議員が約7万700人で、リアルタイムで国会の状況や政策に関する発信を続けています。かつて自民党のネット戦略担当だった山本一太参院議員は約19万。ブログでの自身の活動報告や国会情勢に関する個人的見解の発信を頻繁に行っています。立憲民主党では、ジャーナリストの有田芳生参院議員が最も多く約10万8千人。同党の枝野幸男代表もほぼ同じ10万人以上のフォロワーがいます。
数字だけ見れば、労組のナショナルセンターより国会議員1人の方がより大きな影響力があるということ。企業や政党も顧客、支持者獲得のためネット発信に力を入れる昨今、労働組合としてSNSを頻繁に利用する若年層へのアピールができていないことを意味します。
●組合は知られていない
日本労働弁護団の嶋崎量弁護士は「組合活動の継承などが課題となるなか、若い世代の利用度が高いSNSを使った本気の活用が重要」と訴えています。
連合が2015年に行った「連合に関する世論調査結果」では、2人に1人が「連合の名前は知っているが活動内容は知らない」。20代では半数以上が「名前を聞いたことがない」という結果でした。
労働組合がどのような活動をしているのか、どんな組織なのかを知らずに就職し、働いている若者は少なくありません。それでもブラック企業問題やパラハラなど職場のトラブルについては身近に感じ、高い関心を示します。個人加盟のユニオンでは、SNSなどの活動をきっかけに組合の存在を知らせ、相談・組合加入につなげています。
ナショナルセンターや産別労組も「労働組合は労働者の権利を守る」という姿勢を、若者の目に触れるようにアピールする必要がありそうです。(つづく)
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