主に東海以西のJR関係労組でつくるJR連合の春闘は、関連、協力会社などグループ労組が健闘している。4月末までに妥結した53組合のうち30組合がベースアップを獲得。現在34組合が交渉の追い上げを図っており、43組合がベアを得た昨年を上回る可能性もあるという。5月8日、労働運動記者会(三田クラブ)で会見した。
4月末までにグループ87組合が要求を提出し、53組合が妥結した。ベア獲得は昨年同期と同じ30組合。ベア平均は830円と、昨年同期(527円)より高い水準で推移している。
発注元であるJR本体の労組を上回るベア額を引き出した組合も、JR西日本(ベア1200円)と九州(同400円)関連で複数あることが報告された。それぞれ100~300円上回ったという。
JR連合は近年、グループ会社の人材確保などを訴え、JR各社に対し、契約単価引き上げなど、グループ会社での賃上げ原資確保を毎年求めてきた。担当者は「(グループ各社が生み出した)付加価値の適正配分を求める取り組みが浸透してきた」と語る。
売り手市場の影響もある。技術を持つ働き手がより待遇の良い同業他社に移る傾向が見られるため、他社の賃上げ動向への関心は強い。産別がグループ会社の経営者を訪問し情報を提供することで、賃上げを波及させやすい状況が生じているという。
●働き方でも前進が
働き方の改善では、JR西労組が同一労働同一賃金に向けた検討の開始を労使確認した。そのほか、年間総実労働時間の短縮、育児支援、正社員と同水準への超勤手当の引き上げ、勤務間インターバルの協議などが報告されている。
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