「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    安倍政権打倒の国民運動を/日比谷メーデー/9条改憲と労働法改悪阻止へ

     第89回日比谷メーデーが5月1日、東京・日比谷野外音楽堂で開かれ、7千人が参加した。全労協などでつくる実行委員会が主催。働き方改革関連法案の廃案と9条改憲阻止を強く訴えた。「8時間の労働、8時間の休息、残りの8時間は自分のために!」などのスローガンを掲げたプラカードを手にオフィス街をデモ行進した。

     主催者あいさつで鎌田博一国労東京地本委員長は同法案が審議入りしたことに触れ、「8時間労働制を崩壊させる労働法制の全面改悪だ」と批判した。「憲法9条改憲阻止の闘いは正念場。安倍政権打倒に向けた国民運動が求められている。立憲主義と民主主義の大原則を堅持し、野党と連携を築いて共に闘う」と述べた。

     同日に代々木公園で開かれた中央メーデー実行委員会から全労連の橋口紀塩事務局長代行が連帯あいさつ。「(全労協などとの)雇用共同アクションを通じて労働法制改悪反対の運動を進めてきた。要求の一致点を拡大し、労働運動の共同行動を一層進めるために努力する」と表明した。

     

    ●韓国からメッセージ

     

     「われわれはそんなことを望んでいない」――怒りの訴えが会場に響き渡った。有期契約労働者への不合理な差別を禁止する労契法20条の裁判を闘う郵政産業労働者ユニオンの宇田川朝史さんだ。「日本郵政は春闘で、一部正社員の待遇を下げて非正規との格差是正を行うと回答した。正社員の不利益変更という手法が拡大すれば、非正規の処遇改善の動きにブレーキがかかる。悪影響は計り知れない」と訴えた。

     決意表明にはJAL争議団、非正規で働く外国人労働者のほか、5・3憲法集会実行委員会から菱山南帆子さんが駆け付け、集会への結集をアピールした。

     韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権を退陣に追い込んだ「キャンドル革命」。その運動を担った全国民主労働組合総連盟のキム・ミョンハン委員長のメッセージ「今年のメーデーは4月27日の板門店(パンムンジョム)宣言に接し、特別な意味を持つ。韓日の労働者が連帯・団結し、東アジアの平和を作りましょう」が読み上げられた。

     会場では都高教の組合員が9条改憲について「『教え子を戦場に送らない』が教職員組合の根本にある。安倍政権下での戦争の気配には敏感でいなければならない」と語っていた。

     

    〈写真〉鎌田博一国労東京地本委員長