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    国政私物化と9条改憲許さず/全労連などのメーデー/「働き方」関連法案の廃案訴え

     全労連などでつくる実行委員会主催の第89回中央メーデーが5月1日、東京の代々木公園で開かれ、2万8千人が参加した。小田川義和代表委員(全労連議長)は「国政を私物化し、9条改憲にまい進する安倍政権を退陣させるため力を合わせよう」と訴えた。

     小田川議長は、モリカケ疑惑や公文書の偽造・改ざん、自衛隊の日報隠し、官僚トップによるセクハラ疑惑と被害者への人権侵害などを挙げ「目を覆いたくなるような惨憺(さんたん)たる状況だ」と指摘。

     国会審議の停滞については「国政を私物化し、権力で官僚機構を牛耳る独裁政治が混乱の元凶」と批判した。その上で、9条改憲反対の3千万署名達成、早期の最賃1500円実現、働かせ方改革法案の廃案を呼び掛けた。

     日比谷メーデーからは中岡基明全労協事務局長があいさつし、エールを交換。九条の会世話人の池田香代子さんに続き、岩手県陸前高田市の大坪涼子市議が東日本大震災被災地を代表して訴えた。

     日本共産党の志位和夫委員長は安倍政権の退陣を訴える中で「市民と野党の共闘こそが日本を変える力だ。野党連合政権を目指そう」と訴えた。

     

     〈会場の声〉いい加減にしろ!

     

     ○…安倍首相に言いたいことを尋ねると、すかさず「すぐ辞めてください」と足立区職労の女性組合員。「本当のことを言わないし、何かにつけ無責任。まずは(モリカケ疑惑で)責任を取りなさいよ。外遊している場合じゃないでしょ」

     ○…自交総連小田急交通労組の松村知治書記長は「(白タクを合法化する)ライドシェア解禁の動きが続いている。いい加減にしてよと言いたい」。働き方で気になるのは雇用の非正規化だ。「ライドシェアは仕事がある時だけの不安定な働き方。人の命を預かるのに小遣い稼ぎでやっちゃいけないよ」と憤った。

     ○…働き方改革で現在検討されている「解雇の金銭解決制度」を問題視する声も。JMITU大田地域支部の友部敏夫書記長は「解雇問題で闘っている職場がある。会社側弁護士は1カ月分の金で和解しようと言う不当解雇なのに、とんでもない」と、不当解雇が広がる事態を懸念した。

     ○…全損保共栄支部の男性は停滞する国会の現状について「政府も野党もどうかと思う。もっと国会らしい仕事をしてほしい」。職場の一番の関心事を尋ねると「一時金の復元。リーマンショックで下げられたままだった。最近は会社も黒字になったので改善したいですね」と語った。

     ○…「安倍さんには、自分の友達だけじゃなくて国民を第一に考えてほしい」というのは、東京民医連労組南部医療支部の女性保健師(27)。「ワーキングプアといわれる人たちの健康が守られていない。お金がなく、健康に気を使っていられないとか、保険料が払えずに医者にかかれないとか、そういう人たちがいることを分かっているんでしょうか」と訴えた。

     ○…毎年恒例の東京土建各支部によるデコレーション。軽トラックの荷台に載せ、デモ行進でアピールした。中野支部は安倍首相夫妻による行政の私物化を皮肉り、立ち食いそば屋風の「あきえ庵」を製作。メニューは「森そば」「加計そば」に「佐川うどん」「改ざん丼」。「友達割りあり」のサービスも。長浜一之さんは「加計学園はお友だちだから認められたけどね。時の権力者が受益者とゴルフに行っちゃいかんよ」。

     

    〈写真〉小田川義和代表委員