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    8時間働けば暮らせる社会に/最賃で全労連/改正要求要綱たたき台を示す

     全労連はこのほど、全国一律最賃制の創設を柱とする最低賃金法改正要求要綱たたき台を示した。7月に開く大会で提案する。格差と貧困が進む中、「8時間普通に働けば人間らしい最低限の生活が保障されるべき。そうしてこそ経済も地域もうまく回っていく」と訴え、社会的合意づくりを進めたい考えだ。

     たたき台は「健康で文化的な最低限度の生活を営むに足る最低額を保障する」との原則と、「貧困の解消」という政策目標を明記。全国一律最賃制を創設し、最大で時給221円もの地域間格差の解消を図る。その水準は、最低生計費試算調査などの客観的資料を基に、少なくとも平均賃金(年収ベース)の60%(時給1317円・全労連試算)を下回ってはならないこととする。時間額だけでなく、日額、月額の設定も加える。

     地方最賃審議会では、全国一律最賃の上に、地域ごとの最賃や、産業・職種別の特定最賃を決定できるようにする。併せて、公益・労使の全会一致が必要な特定最賃の設定要件を緩め、仕事内容に見合った賃金の実現を目指す。改定審議の公開原則の明記も盛り込んだ。

     たたき台は中小企業支援も重視。3年程度の時限措置とする特別の財政措置として社会保険料減額などの政策メニューを今後検討する。独占禁止法や下請け二法改正など公正取引を進め、中小企業が最賃上昇分を価格に転嫁できる仕組みづくりも提起する。