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    均等待遇保障へ法改正を/生協労連がアピール/パートの賃金格差を告発

     生協労連は4月24日、都内で記者会見し「同一労働同一賃金」を明記していない働き方改革関連法案に反対し、非正規労働者の待遇改善を求めるアピールを発表した。パート労働者の生活実態を訴える「パート労働黒書5」も公表した。

     北口明代委員長は「安倍政権は正規と非正規の賃金格差6割の現状を8割に引き上げると言って『同一労働同一賃金』を掲げたが、働き方改革関連法案にはその言葉が明記されていない」と批判。労働契約法20条で定める「均等待遇」が削除されていることも指摘し「あらためて格差是正のための改正を」と求めた。

     併せて「年収270万円でもふつうに暮らせる社会」を提言した。年収270万円は、時給1500円で年間1800時間(月150時間、1日7時間)働いた場合の最低保障だという。

     

    ●全国一律最賃が必要

     

     会見で勤続10年の川野久美子さんが訴えた。大学2年生の子供がおり、入職時はダブルワークと内職をしていた。現在はパートのリーダーとしてフルタイムで働いている。

     「生協では正規社員とパートの仕事の内容はほぼ同じ。勤務時間は15分くらいしか差がないのに、各種手当や退職金で格差が付けられている。経営側にとってパートは使い勝手が良い存在なのではないかと思う」と話した。

     静岡、山梨、神奈川の3県の生協が合併したユーコープで働く木下百合子さんは「正規社員は賃金体系が統一されているが、パートは各県の最低賃金が違うために給与に差がある」と指摘。基本時給で最大125円、月給制管理職パートの基本給で1万5800円の差が出ている。同じ仕事をして、消費税(の負担)も同じなのになぜ働く県によって賃金が違うのか。全国一律の最低賃金が必要だ」と語った。