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    「社会の意識変えた6年半」/神奈川最賃裁判報告集会/1500円と全国一律へ決意

     時給千円に満たない最低賃金は違法だとして133人が国に是正を求めた神奈川最賃裁判は昨年10月、最高裁の上告棄却により6年半に及ぶ闘いの幕を下ろした。原告らを支援した神奈川労連は4月15日、横浜市内で報告集会を開催。参加者らは、社会の意識を変えた闘いだったと振り返り、最賃1500円と全国一律制実現への決意を語った。

     原告らは生活保護基準と最賃額についての国の比較方法にごまかしがあるとし、現行の最賃は生活保護を下回り違法であると主張。国はこの主張に反論せず、「裁判には適さない」と入口で逃げ続けた。結果は門前払いだったが、特筆すべきは、時給千円未満で働く原告が法廷で苦しい暮らしぶりを語り、人間らしく生きられる最賃が必要と訴えたこと。そのようすが報じられ、貧困を生む最賃の問題を可視化させた。

     弁護団の田渕大輔弁護士は「提訴した2011年当時、最賃千円と言ってもどれだけの人が共感したか。それが今では1500円の実現を訴える若者グループもある。社会の雰囲気は確実に変わった」と振り返った。裁判のサポーターは約千人に。支援したユーコープ労組の安部栄子さんは「原告の訴えを聞き、何とかしなければならないと思った人々が家族や友人に話し、だんだんと増えていったのだと思う。当事者が継続して運動していくことが大切」と語った。

     同労連は「全国一律最賃制実現10万人学習運動」を近く開始する。

     

    〈写真〉神奈川労連は最賃水準で働く当事者、市民とともに、「Fight for 1500神奈川実行委員会」を補足させた(4月15日、横浜市内)