学者・文化人らが呼びかけ人を務める九条の会は4月7日、「安倍9条改憲NO! 憲法を生かす全国統一署名」の3000万筆達成に向けた集会を都内で開催。約千人が参加し、安倍改憲の危険性を国民に広げていくことを確認した。
自民党は3月の党大会で「必要な自衛の措置」や「自衛隊」を明記することなどを柱とする改憲の方向性を確認している。九条の会事務局長の小森陽一・東京大学教授は「自民党の主張では『必要な自衛の措置』に集団的自衛権も入る」と指摘。「安倍改憲案がどれほど危険な内容かを署名と対話を通じて訴えていこう」と呼び掛けた。
集会では8人の世話人が安倍改憲案の内容を批判した。山内敏弘・一橋大学名誉教授は「憲法に明記することで自衛隊が公共性を持つことになり、国民は軍事協力を求められる。『公共の福祉』だとして徴兵も合憲になる」と述べた。
署名活動の中では「自衛隊を合憲にするだけなら問題ないのでは?」といった疑問が出されることも多く、自民党も「9条の政府解釈は1ミリも動かさない」と繰り返している。これに対し、愛敬浩二・名古屋大学大学院教授は「1ミリも動かさない改憲が必要なのかを逆に質問してほしい」と呼び掛けた。
愛敬教授は、空母の保有計画が公然と出ていることや集団的自衛権の行使が容認された点などを指摘。「憲法解釈はどんどん動かされている。1ミリも動かさない現状はどの時点なのか」と批判した。
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