4月6日に閣議決定され、国会に提出された働き方改革関連法案について、連合と全労連がそれぞれ談話を発表している。
●高プロ制創設は遺憾/連合
連合の談話は、時間外労働の上限規制や月60時間を超える残業割増率の中小企業への適用猶予撤廃、同一労働同一賃金の整備については「連合が長らく求めてきた事項であり、早期に実現すべき」と指摘。一方、高度プロフェッショナル制度(高プロ制)の創設が盛り込まれていることには「誠に遺憾だ」と批判している。
中小企業への適用を1年先延ばししたことは「中小企業で働く者を顧みない判断だ」とした。
高プロ制については「実施すべきでない」とし、「与野党を問わず、過労死・過労自死を根絶していくとの強い決意を共有し、真摯(しんし)な議論が必要だ」と強調。民進、立憲民主、希望の3党と連携して取り組むとしている。
●働き方の劣化招く/全労連
全労連は、不適切データ問題で裁量労働制の対象業務拡大が取り下げられた経緯に触れ、「政府はあらためて労働実態の把握を重視した政策形成が求められている」と指摘。そんななかで、労働政策審議会に諮ることもなく一方的に法案を修正し、閣議決定したことに抗議した。
法案に盛り込まれている(1)定額働かせ放題の高度プロフェッショナル制度創設(2)月100時間未満に及ぶ過労死ラインの残業上限規制(3)労働者保護法が適用されない非雇用型就労を普及する雇用対策法改悪――などについて「働き方をさらに劣化させるもの」と批判。徹底審議の上で撤回するよう求めている。
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