教員の待遇改善と教育予算拡充を求めるストライキが全米各州に広がりつつある。3月30日にはケンタッキー州で、4月2日にはオクラホマ州でスト。アリゾナ、ニュージャージー、ペンシルバニアなどの州でも同様の計画があるという。
一連のストは、ウェストバージニア州の教員ストがきっかけ。9日間のストを打ち、同州の全公務員労働者を対象に3月6日、5%の賃上げを勝ち取った。争議権が禁止されているにもかかわらず、勝利できたことが全米に衝撃を与えた。
●SNSで共感広げる
オクラホマ州の教員組合代表はこう語る。
「もう10年以上も州議会は私たちを無視してきた。生徒たちの椅子は壊れ、古い教科書をテープで補正して使っている。学校は週4日しか開校できず、1クラスの人数は爆発的に増加。教員は売血でお金を稼いだり、副業をやっている。食べ物が十分買えずフードバンクに頼っている。議会の空約束はいらない。今すぐなんとかしてほしい」
こうした実情は、多くの州に共通している。
オクラホマでは共和党議員が多数を占める州議会で年収6千ドル(約63万6千円)の引き上げを決議したものの、スト参加者は「不十分だ」として拒否した。
今回のストの特徴は(1)多くが組合執行部の指示に基づかない「山猫スト」(2)フェイスブックなどSNS活用による共感の広がり(3)ウェストバージニア州の教員の経験を学び連携――など。
オクラホマ州教員組合で26年の役員経験を持つ活動家は「6千ドルを獲得した時点でストをやめさせようとしたが無理だった。SNSは私が経験したことのない威力を持っている」と語っている。
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