「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    地方審議会の透明化を/最賃引き上げキャンペーン

     全国一般全国協議会や下町ユニオンなどによる「最低賃金大幅引き上げキャンペーン2018」のキックオフ集会が3月31日、都内で開かれた。最賃額決定方式を改善するため、審議プロセスの公開を要求。併せて最賃問題に取り組む全国的な連帯組織の結成を呼び掛けた。

     にいがた青年ユニオンの山崎武央委員長が地方最低賃金審議会の決定方式について解説した。審議会の議事録は原則公開だが、個人情報保護など理由があれば、非公開になり、議事要旨が作成される。「議事録があるかどうかは重要。議事要旨では議論の中身が分からず、審議会の答申に異議申し立てができない。公開を前提とした作成が必要だ」と指摘した。

     山崎委員長が情報公開請求で入手した資料によると、審議に関わらないはずの事務局が公益委員の求めに応じて、具体的な数字を示したケースも明らかになった。「公益委員にはリーダーシップが求められる。中央最賃審議会で(引き上げ額の)目安が発表されると、地方はそれに合わせてしまう。都市部への人口流出が止まらない中、国全体と地方の両方を見て運動に取り組む必要がある」と述べた。

     キャンペーン事務局の河添誠さんは「最賃アップは年々切実さを増している。日本の最賃の最低額は737円。東京と221円も格差がある。韓国の最低賃金(約750円)に抜かれた現実は厳しく認識しなければならない」と批判した。「審議会には最賃で働く低所得者や非正規労働者がいない。少なくとも意見聴取などで現状把握のための制度化が必要」と訴えた。韓国の最賃運動にならい、全国的な最賃運動のネットワーク組織「最賃連帯(仮称)」の結成も提起した。