フランスの国鉄労働者が3月22日、ストライキを行った。50代前半から退職年金を受給できる優遇制度の撤廃や将来の民営化など、マクロン政権が打ち出した国鉄改革に反対する行動だ。この日は教師や看護師、航空管制官らの公務労働者もストに参加。全国では約20万人、パリ市では4万8千人が決起したという。
鉄道労組は今後、4~6月の3カ月で36日間ストを行う計画を立てている。
マクロン氏は昨年の大統領選時に、公務労働者の12万人削減や賃金凍結、公共サービスの外部委託などを公約。公務労組は昨年10月にストを行うなど、反発を強めていた。国鉄改革も、そうした公的の一環である。
4月以降、マクロン政権と鉄道労組の対決色が強まるのは必至。その際、両者が注目しているのは世論がどう動くかだ。
●複雑な世論
世論調査では、国民の72%がマクロン政権の国鉄改革に賛同し、過半数が国鉄のストを支持していない。一方、マクロン大統領の支持率は低下を続けており、現在は就任以来最低の37%に落ち込んでいる。年金受給者に増税するなど他の改革が必ずしも支持されていないためだという。
報道によれば、政府メンバーの中には「さまざまな不平不満がひとつにまとまって政府に向かう事態は避けなければならない」という意見もある。
4月以降、国鉄をはじめとした公共サービスがどうなるのか、世論はどう動くのか、目が離せない状況が続く。
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