郵政産業労働者ユニオンは3月20日、春闘回答に抗議するストライキを全国11拠点19職場で行った。68人(うち非正規22人)が参加し、東京の本社前ではスト突入集会を開いた。回答は裁判で格差是正の対象とされた住宅手当をなくし、正社員の年末手当も廃止するといった内容。多数派組合の日本郵政グループ労働組合(JP労組)は既に妥結している。
郵政ユニオンは有期契約労働者の格差是正を求める労契法20条裁判で、手当の支払いを一部勝ち取っている。春闘交渉で日本郵政は、非正規の処遇改善の必要性について「同じ認識だ。これまで以上に踏み込んで取り組む」と考えを示していた。ところが15日に示された最終回答は、裁判の判決に逆行する内容だった(図参照)。
裁判で支給が認められた住居手当を廃止するほか、正社員の年末手当も廃止(非正規には正社員の8割水準の年始手当を支給)、病気休暇では月給制と時給制の非正規労働者間に新たな格差を設けている。組合員からは「正規と非正規の対立を招き、労働者を分断するのでは」と懸念する声が上がっている。
中村知明書記長は「判決を踏まえて交渉してきたが、ふざけた回答だ。労契法20条裁判が骨抜きになる」と怒りをあらわにした。
日巻直映委員長は「手当廃止や処遇引き下げなど極めて不当な回答。痛みを社員に押し付けるのでは処遇改善にはならず、責任ある姿勢とはいえない」と強く批判。日本郵政が2018年3月期の連結純損益を4500億円に上方修正したことに触れ「(業績好調の要因となった)ゆうパックは取扱量が対前年度比で25%増。大量のゆうパックを配達したのは、要員不足の中、懸命に働いている正規と非正規の社員だ。郵政で働く全労働者の賃金引き上げと処遇改善の実現を勝ち取るため、全力で闘う」と訴えた。
コメントをお書きください