日本労働弁護団は3月16日、働き方改革関連法案の労働時間規制緩和に反対する集会を国会内で開き、200人が参加した。政府は根拠となるデータに問題のあった裁量労働制の適用拡大を法案から削除する一方、高度プロフェッショナル制度の創設は断念していない。過労死遺族や、裁量労働制で働いた労働者が長時間労働の過酷な実態を訴えた。
神奈川過労死等を考える家族の会代表の工藤祥子さんは、教員の夫を亡くした。公立学校の教員は給特法が適用され、特定項目以外の時間外労働は自発的活動とみなされる。「教員の働き方は裁量労働制や高プロの先取り。教員は命を削らないとできない仕事になってしまった」と語った。
保険会社営業職の男性は約6年間、企画型裁量労働制で働き、昨年6月に適用から外れた。適用だった時は、帰宅しようとすると、新たに仕事が与えられ、上司のパワハラも日常茶飯事になったという。「(仮に裁量労働制が拡大されれば)適用すべきでない職種にも合法的に広がるのではないか。裁量労働制は長時間労働を助長し、職場環境を悪くする」と危機感を表した。
棗一郎幹事長は「裁量労働制と高プロは労働時間規制を破壊する。完全な撤回と断念を強く求めていく」と訴え、勤務間インターバル制度など、長時間労働と過労死をなくす法案の実現を呼び掛けた。
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