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    「週休7日が幸せか」/渡辺美樹議員の発言/過労死遺族が怒りの撤回要求

     東京過労死を考える家族の会は3月16日、渡辺美樹参院議員と面会し、同議員が過労死遺族に対して配慮のない発言をしたことについて撤回と謝罪を求めた。

     代表の中原のり子さんは13日、参院予算委員会中央公聴会で高度プロフェッショナル制度に関する意見陳述に立ち、長時間労働の実態や過労自死で夫を亡くした経験を語り、過労死防止を訴えた。質疑で渡辺議員は「働くことが悪いことであるかのよう」「お話を聞いていますと、週休7日が人間にとって幸せなのか」などと発言した。

     渡辺議員が創業した居酒屋チェーン・ワタミグループでは2008年6月、新入社員の森美菜さんが月140時間を超える残業の末、過労自死。労災認定の後、同社は遺族による裁判で和解し「過重労働再発防止策制定」を約束した。

     中原さんは「渡辺議員からの質疑は想定外。『週休7日』の発言は遺族への無理解であり、違和感を覚える」と述べた。

     過労死でNHK職員の娘をなくした佐戸恵美子さんは「ワタミ過労自死の遺族を思うと、いても立ってもいられない。遺族と真摯(しんし)に向き合い、反省しているのか。発言させた自民党にも問いたい」と語った。

     渡辺議員は自身のフェイスブックで、「お話を聞いていますと」の「お話」は中原さんの陳述ではなく、国会での議論全般を指すと弁明している。発言の一部を謝罪したが、撤回はしていない。