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    賃上げ平均は6515円/連合集計/中小はベア復活以来最高額

     連合は3月16日、春闘の第1回回答集計をまとめた。賃上げ平均は昨年同期を254円上回る6515円(定期昇給相当分込み、2・16%)。300人未満の中小の賃上げが、2014年のベア春闘復活以降最高額となり、賃上げ率でも全体を上回っている。

     3月16日朝までに675組合の回答を集計した。昨年同期と比べて約100組合少ない。300人未満の回答は昨年同期を631円上回る5770円(同、2・17%)となった。

     賃金構造維持分が分かる428組合では、ベアや賃金改善などの賃上げ分は2219円(0・77%)で、中小は1751円(0・65%)となった。

     非正規労働者の処遇改善では、81組合が時給引き上げの回答を引き出し、その平均は25・98円。昨年同期を2・33円上回る。月給制では31組合の平均で同137円プラスの5496円。

     神津里季生会長は「大手準拠・追随からの脱却を掲げた方針が相当程度浸透してきた。親企業の水準を上回ることや、非正規労働者の賃金改善が当たり前のように行われている」と述べ、中小、非正規への波及に期待を込めた。

     

    ●非金属も好調な出だし

     

     会見には五つの共闘連絡会議の代表が出席。平川純二JEC連合会長は、化学・食品製造の約80組合の回答状況について、「昨年を上回る賃上げ回答が出ている。化学は1500~2千円のベアも目立つ。産業の好調さが反映している」と報告。松浦昭彦UAゼンセン会長は流通・サービス業の回答に関し「正社員については昨年を上回る61組合が妥結した。賃上げ額・率ともに昨年を大きく上回る。パートについても妥結組合数が倍増した。早期解決が進んでいる」と好調な手応えを語った。