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    「高プロ制もやめろ」/エキタスが街頭宣伝/過労死遺族らも訴え

     労働問題を軸に社会的正義の実現を求める若者のグループAEQUITAS(エキタス)が3月17日、東京のJR新宿駅前で街頭宣伝を行い、「働き方改革関連法案」に盛り込まれている高度プロフェッショナル制度(高プロ制、残業代ゼロ制度)の撤回を訴えた。労働者や学者、過労死遺族、野党議員らは「高プロ制は過労死を増やす」と批判した。 

     エキタスのメンバーの男性は、残業代を申請できない会社で働き体調を崩した友人の話を紹介しながら「『働いた分の金は払え』『もっと休みを増やそう』と言えるように、世の中の空気を変えたい」と話した。

     裁量労働制の不適切データを告発してきた上西充子法政大学教授は「労働時間の上限をなくす高プロ制は裁量労働制よりさらに危険な制度」と指摘し、こう述べた。

     「政府は裁量労働制で偽のデータを使い、過労死の危険を訴える野党議員や遺族にうその答弁をしてきた。野党も国民もばかにされている。私たちの手で働き方改革(の中身)を変えていかなければならない」

     月200時間を超える残業の末に過労死したNHK記者、佐戸未和さんの母親恵美子さんは「私たちと同じ苦しみを背負う人が今後二度と現れないよう、働く人の命と健康をしっかり守る法律と制度を作っていただきたいと切に願っております」と訴えた。