核兵器製造に関わる世界の20企業に対し、日本の七つの金融機関から少なくとも185億ドル(約2兆円)が資金提供されていると核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が3月7日、発表した。世界全体では24カ国の329金融機関が5250億ドル(約55兆円)を提供していた。
調査は、ノーベル平和賞を昨年受賞したICANとオランダの平和団体PAXによる「核兵器にお金を貸すな」リポート。2014年1月から昨年10月の融資実績を調べた。
記者会見でICAN運営委員の川崎哲氏は「核兵器禁止条約では『核兵器への援助行為』も禁止項目に含まれており、核兵器製造企業への融資も禁止されると考えるのが当然。融資する金融機関は、核の脅威を高めることでもうけていることになる」と指摘した。
ICAN構成団体のピースボートは、核兵器製造企業への資金提供が明らかになった国内の7金融機関に対して「日本は唯一の戦争被爆国。核兵器製造企業への融資をどう捉えているのか」などの質問状を送付。今後、全国銀行協会への申し入れなども行っていく。
川崎氏は「金融機関からの資金提供を止めることで、企業が核兵器製造から撤退していくことを促したい。市民の皆さんは名前の上がった金融機関に声を上げてほしい。それでも各行が資金提供を止めないなら、そうした銀行との取引をやめようということになる」と運動の方向性を示した。
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