製造、流通、サービスの労組でつくるUAゼンセンが3月8日、同5日時点の要求状況をまとめた。正社員の賃上げ要求の単純平均は9324円(3・58%)で、パートの時給引き上げ要求は同37・9円(3・97%)となっている。いずれも同一組合比較で前年を上回った。勤務間インターバル規制や65歳定年制の導入など「働き方」関連にも多数の組合が取り組んでいる。
正社員については5日までに546組合(43万人)が要求を提出した。300人未満は275組合の平均が9539円(3・88%)で、300人以上の9104円(3・27%)を上回った。ベースアップ分が明らかな203組合のベア要求分の単純平均は4267円(1・54%)で、こちらも300人未満が300人以上規模の組合を若干上回っている。
一方、パート労働者については196組合(約54万人)の要求を集約。賃上げ率は3・97%で、正社員の3・58%を上回っている。企業規模間、雇用形態間の格差是正を重視する方針を反映した結果だ
木暮弘書記長は「人手不足は一過性ではなく、入ってすぐの人よりも10年選手が退職して大手に流れる。労務倒産させないよう将来のための投資が必要だ」と賃上げの意義を強調する。
●211組合が初任給要求
その他の労働条件では、人手不足に対応するため、211組合が正社員の初任給改定を要求した。平均要求額は高卒が4572円増の16万7971円で、大卒が4917円増の20万3963円。68組合が勤務間インターバル規制導入を求め、綿紡、化繊などを中心に106組合が65歳定年制の整備を要求した。
UAゼンセンは政府の「同一労働同一賃金ガイドライン案」を踏まえた処遇改善を要求する方針。人事処遇制度の見直しや一時金・各種手当、福利厚生に取り組む組合もある。治療と職業生活の両立支援制度の整備、健康経営を求める取り組み、一人親への支援、ハラスメント対策、障害者雇用についての要求も報告されている。
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