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    「安保の下でも条約参加は可能」/被災64周年ビキニデー集会/ICAN運営委員の川崎哲氏

      原水爆禁止日本国民会議などは3月1日、静岡市内で「被災64周年3・1ビキニデー全国集会」を開き、反核・平和や脱原発の取り組みの前進と、安倍政権の暴走に対抗する運動の強化を呼び掛ける「集会アピール」を確認した。

     米国が1954年にマーシャル諸島で行った水爆実験で日本のマグロ漁船第五福竜丸などが被ばくし、乗組員の久保山愛吉さんが亡くなったビキニ事件。これをきっかけに原水爆禁止運動が起こった。

     あいさつした原水禁の川野浩一議長は、日米両政府によりビキニ事件の全貌が隠蔽される中で、「原子力の平和利用」が始まり、7年前の東京電力福島第1原発事故につながったことなどを紹介。「過去を知らない者が未来を築くことはできない」と、この事件を学ぶ意義を強調した。

     集会では、核兵器禁止条約制定への貢献が評価されノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の国際運営委員・川崎哲氏が講演。「3・1をきっかけに始まった原水禁運動全体に与えられたノーベル賞。運動に関わる全員が賞を自分のものと受け止め、運動を広げていく必要がある」と呼び掛けた。同条約について日本政府は「署名も批准もしない」と明言しているが、川崎氏は「日米安保の下でも、核兵器への協力を拒否し、条約に参加することは可能だ」との見方を示した。

     一方、北朝鮮の核開発やミサイル実験、米国の新たな核戦略などに触れ「核戦争の危険が現実に高まっている」との懸念を表明。その上で「より使いやすい核兵器を作ることで、戦争を防げるという理屈は馬鹿げている」と日本政府が支持する核抑止論を批判した。(写真=講演する川崎氏、全景などあります)