米国の水爆実験でマグロ漁船第五福竜丸などが被災し、無線長の久保山愛吉さんが亡くなったビキニ事件から64年目の3月1日、同船の母港だった焼津市で「被災64年2018年3・1ビキニデー集会」が開かれた。主催は原水爆禁止世界大会実行委員会など。全国から約1800人が参加し、日本政府に対し核兵器禁止条約への署名、批准などを求める集会アピールを確認した。
集会には第五福竜丸の乗組員だった大石又七さん、池田正穂さんも参加。代表してあいさつした大石さんは集団的自衛権の行使を認めた安保法制や改憲の動きに触れ、「安倍総理は憲法を無視し、若い自衛隊員に人殺しをさせようとしている」と危機感を訴え、「核兵器も原発もない、安心して暮らせる日本にするために皆さん一緒に考えていきましょう」と呼び掛けた。
ビキニ事件では第五福竜丸以外の多くの漁船やマーシャル諸島の住民も被ばくしている。当時、周辺で操業していた高知県の漁船の船員だった増本和馬さんは、日本政府により被災の事実が隠され、被ばく者が放置されたことへの怒りを表明。国家賠償請求訴訟の勝利へ決意を語った。マーシャル諸島エニウェトク環礁の住民、ブルック・タカラさんは、子どもたちを含む多くの人々が後遺症に苦み、貧困にあえいでいる実態を報告した。
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