西日本エリアの日本郵便で働く有期契約労働者8人(うち退職者1人)が、正社員との労働条件格差の是正を求めた裁判で、大阪地方裁判所は2月21日、一部の手当不支給を違法と判断し、会社に約300万円の損害賠償を命じた。
認められたのは(1)年末年始勤務手当(2)住居手当(3)扶養手当――三つ。同様の東日本裁判(昨年9月、東京地裁)の判決は年末年始勤務手当と住居手当を認めたが、支給割合を正社員の6~8割に減額していた。今回は100%支給が認められ、先行判決を上回る内容となった。一方、東京地裁が認めた夏期冬期と病気休暇は判断を避けた。
西日本裁判のみ請求していた扶養手当について判決は、「基本給を補完する生活保障給」に当たり、「扶養家族の有無と状況によって支給され、職務内容の相違で支給が左右されるものではない」と指摘。原告が「4週間につき1週平均40時間勤務し、扶養親族の生計を維持していると推認できる」ことから不支給を不合理と認めた。住居手当についても「福利厚生的な要素」と指摘している。
他の手当については、期待される役割・職責の違い、人事施策、割増賃金分の存在などを主な理由として訴えを退けた。
郵政産業労働者ユニオンと原告団は声明を発表し、「日本の非正規雇用労働者の未来に希望をともす画期的な判決」と評価。会社に対し、直ちに団体交渉を行うよう強く求めている。原告は全員控訴する方針だ。
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