子会社の破産・全員解雇を発端として始まった「フジビ闘争」が2月20日、中央労働委員会で労使双方が和解し、解決した。会社側が組合員に名誉毀損(きそん)での損害賠償を求めた訴訟が最高裁で確定していたことから、その扱いが大きな焦点だった。和解内容は非公開だが、翌21日に開かれた支援共闘会議の総会では「最高裁で確定した不当判決を実質的にほごにし、(親会社の)富士美術印刷に解決責任を認めさせた」と報告された。
親会社社長が受け入れ
富士美術印刷が子会社のフジ製版を破産させ、従業員を解雇したのは2012年9月。以来、組合(全国一般東京労組フジビグループ分会)は労働委員会なども活用し、解雇撤回闘争を進めてきた。
そんな中、親会社に対し「フジ製版は計画的偽装倒産である」「安い給料で使い捨て、泣き寝入りしないぞ」などののぼりを掲げた宣伝活動を、同社が「名誉毀損だ」として組合員個人に損害賠償を求めて提訴。昨年8月には最高裁で組合側の敗訴が確定していた。
組合や弁護団は「正統な組合活動に対するスラップ訴訟(どう喝的な目的を持った訴訟)であり、憲法が保障した表現の自由を制限する不当判決だ」と批判し、支援を呼び掛けていた。
昨年11月から中労委で和解協議が始まった。最終的に親会社社長が和解勧告を受け入れて決着した。組合が求めた職場復帰はかなわなかった。
共闘会議の総会で中原純子分会書記長は「スラップ訴訟の確定判決を実質的にほごにさせたのは闘いの成果だ」と強調した。
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