ニチイ学館やSOMPOケアメッセージなど介護職場の労組でつくるUAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU、7万2千人)は2月17日、都内で中央委員会を開き、他産業との格差是正を柱とする労働条件交渉方針を決めた。今年も月給制については1人平均1万円以上を、時給制は同60円以上を要求する。久保芳信会長は「人材確保のための闘い」と、取り組み強化を呼びかけた。
方針によると、全産業平均とNCCU内平均賃金との格差は2015年度の8万1千円から、16年度には8万5千円に開くなど、雇用環境の改善による他産業の賃金上昇に伴い、格差が広がっている。
久保会長は昨年1年間の介護事業者の倒産件数が過去最多を更新し、特に人手不足による中小事業者の経営が困難になっているとの分析を紹介。「他産業より低い処遇でしか採用できないことが人手不足に拍車をかけている。全産業平均に少しでも近づけなければならない」と強調した。
介護報酬の処遇改善加算で新区分が設けられた昨年は、月給制で前年比2490円増の平均6445円(改善加算分を含む・定昇相当分込み)の賃上げ回答を得た。染川朗事務局長は「今年は新たな処遇改善加算はなく、厳しい交渉となるだろう」と述べ、積極的な取り組みを呼びかけた。
制度要求では、定期昇給制度の導入や扶養手当の整備を掲げる。人材確保や定着率向上のためには将来設計できる職場にすることが必要と強調している。
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