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    労働基本権回復へ再挑戦/公務員制度改革で連合/ILOでの個別審査めざす

     連合が公務員の労働基本権回復に向け、取り組みをスタートさせる。昨年秋の衆議院解散で廃案になった国家公務員制度改革3法案(議員立法)の再提出を求め、今年の国際労働機関(ILO)総会でこの問題が個別審査案件となるよう、国際労働組合総連合(ITUC)と連携する。2月16日の中央執行委員会で確認した。

     同法案は(1)国家公務員の団結権、団体交渉・協約締結権の付与(2)人事院と人事院勧告制度の廃止(3)公務員庁の設置――が柱。方針は民進、立憲民主、希望の3党による共同法案の再提出を求めるとともに、5月下旬から開催されるILO総会・基準適用委員会でこの問題が個別審査案件に選ばれるよう働きかけを強める。公務員の労働基本権が制約されている事態を国際社会の懸案事項とすることで、日本政府と国会に早期の対応を促したい考えだ。

     神津里季生会長は同日の定例会見で「(公務員の基本権回復問題は)民主党政権時に前向きな形でスタートした。東日本大震災があり、(国家公務員の)賃金カットだけが行われ、肝心の基本権回復がなされていないのは踏んだり蹴ったりである。本来の形を取り戻すことが筋だ」とこの問題の解決が急務との認識を示した。

     4月4日には都内でシンポジウムを開く。ILOのカレン・カーチス国際労働基準局次長を招き、パネル討論を行う予定。