ベルギーでは現在、タクシーの規制緩和が進められようとしている。併せて副業を推進する法律も制定された。一般運転手が自家用車で乗客を運ぶウーバーポップは、関係組合や事業者の強い反対で営業できない状態まで追い込まれた。だが、このままでは配車アプリを介した同様のビジネスが再来すると、運輸労組BTBは警戒を強めている。
三つの行政区に区分される同国。その一つであるフランドル地方政府は今年に入り、各市が決めているタクシーの運賃と車両台数の規制を取り払い、タクシーとハイヤーのルールも一本化する意向を公表した。
新規参入が容易になり、デジタルサービスを主力とするウーバーのようなライドシェア会社が増えることが予測される。過疎地のバスを廃止し、こうした会社に代替させることも検討されている。
タクシー運転手の賃金は完全歩合制であり「過当競争が激化すれば収入を直撃する」と、BTB労組は反発する。
フランドル地方には、主要都市のアントワープなどがある。地理的には首都・ブリュッセルもこの地方に位置する(ただし行政上は別枠)。
併せて1月1日付で、連邦政府が新法を施行した。働く人に副業を奨励する内容で、年収6千ユーロ(約82万円)、あるいは月収500ユーロ(約6万8千円)まで非課税とするというもの。
国際運輸労連(ITF)も、ベルギーのような規制緩和が進めば、「ウーバーは運輸業」という欧州司法裁判所の判決が骨抜きにされてしまうと、警鐘を鳴らしている。(国際運輸労連内陸運輸部会長 浦田誠)
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