国家公務員らでつくる国公労連が、2018春闘に向けて大企業の内部留保活用を訴えている。主要企業127社について、全労連などが要求している「月2万円以上の賃上げ(正規)と時給150円以上の引き上げ(非正規)」を実現するには、内部留保の1・48%を取り崩すだけで可能としている。
賃金は、1997年の水準を100とした場合、16年には約95に落ち込んでいる。株主配当金や経常利益、内部留保の大幅増加とは対照的だ。
国公労連はこうした偏りを正し、働く者への配分を増やす必要があると指摘し、試算を行った。
経営側は内部留保について「持続的な成長投資の原資だ」(2018年度経営労働政策特別委員会報告)とし、取り崩しには一貫して反対している。この点で国公労連は内部留保のうち、現金や預金などの「換金性資産」に着目。月2万円などの賃上げには、その1・8%を充てるだけで可能と訴えている。
●内部留保への課税も
国公労連は、18年度税制改革提言で内部留保への課税を正式に打ち出した。
内部留保課税には「二重課税だ」との批判も強いが、「消費税も二重課税だ。海外にも事例があり、選択肢になり得る」(鎌田一書記長)と指摘。資本金10億円以上の大企業の内部留保に1%を課税すれば、年間約3兆4500億円が確保できるという。
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