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    要求基準は3千円以上/自動車総連の春闘方針/中小・非正規の底上げに注力


     自動車総連は1月11日、神戸市内で中央委員会を開き、「3千円以上」を賃金改善(ベースアップ)要求基準とする2018春季闘争方針を確認した。特に、中小企業の底上げ・格差是正を重視。非正規労働者の賃上げは従来より位置づけを強めている。

     「3千円以上」の要求基準は、中小企業が生み出した付加価値を適正に評価する運動を始めた16闘争から3年連続。高倉明会長は「今年は昨年以上に、『以上』に込めた思いは強い」と述べ、中小労組に大手の要求額を超える賃上げ要求への挑戦を求めた。併せて、あるべき賃金額への到達をめざす個別賃金要求の意義を強調した。

     方針論議では、中小労組の多い「車体部品部門」の代表が「14闘争では大手メーカー労組を超える要求をした組合は数えるほどだったが、17闘争では100を超えた。着実に前進している。『以上』に込められた底上げ・格差是正の思いを具現化していきたい」と発言。販売部門の代表は、4年連続でベアを取れていない組合が1割超あると述べ、個別賃金要求への意気込みを語った。

     直接雇用の非正規労働者の賃上げは、昨年同様「時給20円」を目安に。今年は正社員の賃上げと同列に位置づけ、積極的な取り組みを促している。企業内最低賃金協定の要求額は、昨年より2千円引き上げ「16万円以上」とした。

     働き方の改善も柱の一つだ。速やかに取り組むべき36協定の残業上限設定について、年720時間以下に加え、月80時間以下を追加した。17春闘では年720時間以下とするよう掲げ、基準未達成の組合が当初121あったのが現在は94にまで減ったという。

     今後、各企業グループ労連、単組で要求内容が決められていく。