東京大学が有期契約の非常勤教職員を最長5年で雇い止めにする規則を削除する方針を決めたことが12月13日、分かった。これにより、フルタイム・パート教職員ら約8千人は希望すれば来年4月以降の無期転換が可能になる見通しだ。
●法と矛盾する東大ルール
改正労働契約法により来年4月以降、5年を超える有期契約労働者の無期転換が可能になる。東大はこれまで上限5年ルールと3カ月間のクーリング期間を適用。改正法で3カ月のクーリング期間が認められなくなると期間を6カ月に延長するなど、無期転換逃れの規則を定めてきた。
東大側は「法の無期転換ルールと東大ルールは考え方が異なる」と、法違反を自覚していることを明らかにしていた。
そんな中、10月には非常勤講師3千人について、業務委託から雇用契約に切り替えた上で、雇用上限撤廃と無期転換の権利を確認した。残りの約8千人に関しても12月12日、「更新回数4回、通算契約期間5年を上限とする一律の規定を削除」する方針を学内の文書で示した。上限撤廃は、在職者と来年度からの新規職員の両方に適応されるという。
団体交渉に参加してきた首都圏大学非常勤講師組合の志田昇書記長は「今後の無期転換ルールをめぐる国立大学の対応で、東大の影響は絶大。違法な雇い止めを進めている東北大学なども、東大並みの対応を迫られるだろう」と指摘している。
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