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    無期転換の脱法阻止を/国立大の非正規問題で集会

     多くの非正規労働者を抱える国立大学が、勤続5年を超える有期雇用労働者に無期転換の申し込み権が発生する「2018年問題」に直面している。一部の国立大学では、就業規則などの雇用期間を「上限5年」に変更して雇い止めしようとするなど、脱法的な動きが起きている。東京大学教職員組合、首都圏大学非常勤講師組合、全大教は12月5日、院内集会を開き、無期転換ルールの適正実施を呼び掛けた。

     全大教副委員長の水谷孝男さんは「国立大学は大量雇い止めを繰り返す職場になるのか、無期転換してまともな職場にするのか、分かれ道に立っている。まともな方向に進むよう、歩むべき道を皆さんと共有したい」とあいさつした。

     佐々木彈・東大職組委員長は「無期転換はカネがかかるというのは都市伝説。労契法の規定では今の労働条件を維持してもいいはずだ」とコスト増になるという意見を批判した。

     東京大学では独立行政法人化以降の14年間、非常勤講師と労働契約を結ばずに日雇い扱いをしてきた問題が発覚。大学は来年度以降に待遇を正常化するというが、佐々木委員長は「当事者の非常勤講師を過半数代表の選出対象に含めずに改正された現在の就業規則は厳密には無効状態だ」と指摘する。同様の問題は他の国立大学や私立大学でも散見されるという。

     佐々木委員長は「36協定も無効という異常な状態でどうやって休日出勤を命令するのか。もし(休日出勤拒否の)順法闘争をすれば、センター試験はできなくなる」と危機を訴えた。

     東北非正規教職員組合事務局長の佐藤完治さんは「大事なことは無期転換するかしないかの選択権が有期教職員の側にあるということ。大学側にはないのだ」と権利を強調した。