非正規労働者と正規労働者の間に「不合理な労働条件格差」をつけることを禁じた労働契約法20条。この条文を活用した格差是正の裁判が各地で取り組まれている。大阪地裁では来年1月24日、大阪医科大学(現大阪医科薬科大学)の秘書業務に就いていたアルバイト女性の事件について、判決が言い渡される。原告らは労組に加え、幅広く市民にも訴えようと電子署名を呼び掛けている。
●一人で30人も担当
この女性は2013年1月からほぼ2年間、フルタイムのアルバイトとして教授秘書と教室秘書の2役を兼任して働いていた。
労働時間は正職員秘書と同じ。仕事の内容・責任についても大学側は裁判の中で「他の教室の秘書と同じ」と認めている。
業務内容は、教授らの全スケジュール管理、各種研究費の管理、マウスや試薬の購入、授業資料の印刷、試験問題の編集作成や採点集計、その他雑務など。原告が担当する教室の大規模化に伴い、雇用形態の異なる実験助手や非常勤講師、大学院生らが加わり、管理内容は複雑化したという。
原告によれば、多くの場合、1教室を2人の秘書が担当する。隣の教室は6人の教授らに対して正規の秘書が1人だったが、原告が受け持つ人数は最大30人にまで増えた。「仕事量は2倍3倍になっても、ボーナスはなく、年収は隣の正規秘書の3分の1だった」
増員を求めたものの、聞き入れてもらえなかった。体調を崩して休職し、提訴後に雇い止めになった。
電子署名は、社会運動やキャンペーンを手掛けている「Change.org」(チェンジオルグ)を活用。裁判闘争のホームページから署名ページへ入れる(https://omc-20jyo-trial.jimdo.com/)
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