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    「公正取引こそ強調すべき」/連合の神津会長/政府の3%賃上げ論に言及

     連合の神津里季生会長は11月16日、定例の会見で、安倍首相が3%の賃上げを経済界に要請した件で、功罪両面を指摘しつつ、中小企業の賃上げ原資を確保するための公正取引の確保こそ強調すべきだとの認識を示した。民進系3野党との関係についても質問が集中。働き方改革関連での連携を求めた。

     安倍首相が要請した3%は、定期昇給相当分を含めた賃上げ率とされる。連合はベースアップ分2%と定昇相当分2%を合わせた4%程度の要求基準を検討中だ。

     神津会長は「デフレ脱却で政労使が足並みをそろえることは必要で、(首相の)積極的姿勢は是とする」としつつ、中小企業への配慮を求めた。その上で「政府は賃上げした企業への減税を検討しているが、中小企業は(赤字で)税金を払えないところが多い。大手にしかメリットがないのでは本末転倒だ。政府は今、取引慣行の是正を進めているが、そちらの方こそ強調してほしい」と注文をつけた。

     

    ●民進系3党は連携を

     

     総選挙をめぐり、民進、立憲民主、希望の3党に分裂したことについて、同会長は「3党の対応に差をつける要素は考えていない」と現時点での考え方を説明。今は各党が足場を固める時期だとしつつ、「働き方改革関連では大いに連携を図っていただきたい」と語った。