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    前年と同じ「2%程度基準」/連合が18春闘構想

     連合は10月19日、2018年の春季生活闘争方針のたたき台となる基本構想を中央執行委員会で確認した。全ての働く者の底上げ・底支え、格差是正の取り組みを継続するとし、賃上げ要求は前年、前々年と同じく「2%程度を基準」(定昇相当分込みで4%程度)とした。12月5日の中央委員会で闘争方針として決定する。

     神津里季生会長は、17闘争で中小労組の賃上げ率が大手を上回ったことや、非正規労働者でも同じく正社員を上回る傾向が表れたことを振り返り、「物価上昇がない下で、春闘60余年で初となる実績を上げたが、まだまだ不十分。これを継続し広げ、『賃金は上がるもの』という常識を取り戻さなければならない」と意義を語った。

     基本構想は、日本経済の自律的成長やディーセントワーク(人間らしい働きがいのある仕事)を実現するには、全ての働く者の底上げ・底支え、格差是正が必要と指摘。この取り組みを継続しつつ、16闘争で始めた、大手追従・大手準拠の従来の春闘の構造を転換する運動や、公正取引の推進、サプライチェーン(企業の供給網)内の中小企業が生み出した付加価値を正当に評価し適正な配分を確保する社会運動の継続も掲げた。

     賃上げの波及力を高めるため、地場経営者や自治体関係者などと懇談する「地域フォーラム」の取り組みも充実させたい考え。地域での賃金相場づくりを重視するとともに、上げ幅ではなく、目標とする賃金額への到達をめざす取り組みを呼び掛けている。

     

    ●月45時間内の36協定に

     

     「働き方の見直し」という項目も設けた。筆頭の項目が36協定に関するもので、「月45時間、年360時間以内」を原則とし、これを超える特別条項を結ぶ場合、休日を含む労働時間が年720時間以内とするよう求めている。

     基本構想は「長時間労働を是正し、正規・非正規を問わず、個々人の状況やニーズにあった多様な働き方を選択できる仕組みを整えていくことが必要」と説明。均等・均衡処遇実現の課題では、政府の「同一労働同一賃金ガイドライン案」が法制化される見通しであることを踏まえ、職場の点検・改善に取り組むなどとしている。