来年6月に開かれる国際労働機関(ILO)の第107回総会で「職場における女性への暴力」が話し合われることになり、各国で労組が自国の政府や経営者団体に働き掛けを行っています。労組は条約で労働基準を定めるよう求めています。
ILOのガイ・ライダー事務局長は2012年の就任以来、この問題を取り上げてきました。昨年11月には「1人の女性に対する暴力は全体の平和にとって脅威である」との声明を発表。18年の総会で審議が始まることを紹介した上で「仕事の世界から暴力が根絶されるまでILOは活動を続ける」と宣言しました。
ILOは昨年10月、この問題で専門家会議を開き、「暴力が労働者と企業に与える影響」「暴力にさらされる危険が高い労働者群や職業の特定」「現行の対応策の検討」などを話し合いました。
連合も加盟する国際労働組合総連合(ITUC)や国際産別、女性グループは条約採択に向けてキャンペーンを始めています。来年の1次討議を経て、具体化は19年になる見通し。
製造業労組の国際産別インダストリオールは「強制力のあるルールができれば大勝利だが、それは容易ではない。経営者団体や政府の中にも強制力を伴わないガイドラインでいいとの姿勢があるからだ」と指摘。働き掛けを強める必要があると強調しています。
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