日本医労連は9月20日、「看護職員の労働実態調査」の結果を発表した。「慢性疲労」の訴えが7割を超え、過半数の職員が「健康不安」を感じていた。医療現場は依然、深刻な状態にある。
調査は4~5年ごとに行っている。今回は3万3402人分を集計した。
「疲れが翌日に残ることが多い」「休日も回復せずいつも疲れている」を合わせた「慢性疲労」は71・7%。前回調査(2013年)よりやや低下したが、それでも7割に及ぶ。健康状態については「不安」「大変不安」「病気がちで健康とはいえない」の合計が67・5%に達した。
●7割が薬を常用
「常用している薬はない」は25・5%にとどまり、看護師の約7割がなんらかの薬を常用。種類は「鎮痛剤」が48・8%で最も多い。「睡眠薬」は7・4%、「(精神)安定剤」は4・1%だった。
●過酷で異常な夜勤
3交代勤務の夜勤では、看護師確保法の指針(月8回以内)を超える「9日以上」が36・7%に上る。2交代勤務の夜勤については「勤務時間が16時間以上」が48・4%もあった。
労働科学研究所の佐々木司上席主任研究員は「国際的に見て16時間の夜勤労働は異常だ」と指摘。日本医労連の森田しのぶ委員長は「夜間に徘徊(はいかい)をする認知症患者が増加する中、休憩を取りづらい2人夜勤は時代に合っていない」と述べた。
医労連は(1)夜勤・交代制労働者の労働時間短縮と国際基準のインターバル(休息)確保(2)政府の「(医療労働の)働き方ビジョン検討会」に処遇改善と大幅増員を盛り込む(3)診療報酬・介護報酬の大幅改善――を政府に求めていく方針だ。
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