自動車総連の相原康伸会長は9月7日、定期大会当日の記者会見で2017闘争に触れ、「企業が生み出す付加価値を最適に循環させようという取り組みは定着してきた。『4年連続の賃上げ』などと、いつまでも年数をカウントする必要はない」と述べた。相原氏は次期連合事務局長への就任が内定している。
2017闘争の最終集計によると、300人未満の中小企業が大手メーカー労組を上回る金額を獲得。こうした配分傾向について相原会長は「中小労使が前向きに対応した成果だ」と評価しつつ、賃金改善を獲得できた中小労組の割合が6割強にとどまっている点を指摘。18闘争ではこの割合を高めようと述べた。
政府が臨時国会に提出する予定の労働基準法「改正」案については「(労働時間規制を外す)高プロ制と裁量労働制の範囲拡大には反対だ」と明言。長時間労働の是正に向け、36協定をよりよくしていく運動を進め、残業時間は月45時間・年360時間以下を前提に「極力抑制的なものにすべき」とのスタンスで取り組む、と述べた。
自動車産業の未来にも言及した。電気自動車や人工知能(AI)を使った自動運転などの技術革新が大きな課題になっていることを紹介し「働く者としては、希望と不安があるのが現実。日本社会全体で技術発展を新たな不安の種とせず、人間の幸せにつなげるという理念を育む必要がある」と語った。
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