「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    老後生活に備える(6)/在職老齢年金の減額の仕組み

     年金を受給しながら働いた場合、収入が一定額を超えると支給年金の一部または全部が停止(減額)される。これが在職老齢年金と呼ばれる制度。簡単にいうと、収入のある人の年金を削る仕組みだ。

     その仕組みは簡単。単純化していうと、65歳未満の場合、給与収入と老齢厚生年金の合計が月28万円を超えた分※の半分が減額される。例えば、老齢厚生年金が月16万円、月額給与収入が26万円で合計42万円の月収がある人は、28万円との差額14万円の半分(7万円)の年金が支給停止だ。

     65歳以上だと、減額される合計収入の上限が46万円に引き上げられる。老齢厚生年金と給与収入の合計が46万円までなら年金停止はない。これを超えた分の半分が支給停止になる。

      なお、在職老齢年金制度が「給与収入」として扱うのは、社会保険に加入している事業所で働き、厚生年金保険料が天引きされる給与のみ。例えば、パートタイマーで社会保険に入っていなかったり、自営で働く人の収入は対象外。家賃収入や株式配当も含まれない。

     

    ※在職老齢年金で支給停止になる対象は、老齢厚生年金部分のみ。老齢基礎年金は含まれない。給与収入が月47万円を超える場合には、超えた分の全額が支給停止に。給与は月額給与+賞与で計算。