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    Q&A/臨時国会にカジノ実施法案/国民ギャンブル漬けの恐れ

     Q カジノ問題が臨時国会の焦点の一つだって?

     A 昨年12月にカジノ解禁推進法(IR法)が成立した。これを受けて政府は、カジノ設置と運営に当たっての具体的なルールを盛り込んだIR実施法案を提出。継続審議のギャンブル依存症対策基本法案と併せて成立を図る構えだ。

     Q カジノに反対する声は依然多い。

     A IR法ができた後も約7割の国民が反対している。暴力団のしのぎ(収入源)になる、マネーロンダリング(資金洗浄)に使われる、ギャンブル依存症が増加する、など多くの懸念が出されている。IR実施法案には、カジノ管理委員会を設けて客の入場回数を制限したり、フロア面積に上限を設けたりなどの規制が盛り込まれるが…。

     Q 眉唾かな?

     A 政府は「世界最高水準の規制」と胸を張るが、暴力団の介入やマネーロンダリングは、そもそもが法規制をかいくぐって行われるもの。ギャンブル依存症対策として、競馬や競輪の投票券購入に限度額を設けたり、パチンコの出玉を少なくしたりするとしているが、一方でカジノを解禁するわけだ。公営ギャンブルやパチンコにのめり込んでいる人を、カジノに誘導するだけだよ。

     Q 日本では500万人以上がギャンブル依存症と推計されているんだろ?

     A 既に日本がギャンブル大国になっていることを示す異常な数字だ。日本弁護士連合会の加藤裕副会長は「カジノ解禁でギャンブル依存症が増えれば、多重債務に陥る人も増える。ギャンブル依存は病気であり、人権侵害。人権を守るためにも解禁してはならない」と訴えている。政府はカジノを経済対策として位置づけているが、本当にそれでいいのか。立ち止まって考えるべきだ。