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    改正職安法で新聞奨学生守ろう/労働条件明示で虚偽求人撲滅へ

     新聞配達業務に従事することを条件に、大学などの学費と賃金を支給される新聞奨学生。募集時に提示される労働条件と実際が大きく異なることもあり、「学校に通えない」「卒業できない」などのトラブルが少なくない。この状態を改善するため、改正職業安定法(2018年1月施行)を活用しようという声が上がっている。

     募集時と実際の労働条件が違う求人詐欺の是正が改正職安法の柱の一つ。労働条件の速やかな明示や、変更がある場合も速やかに文書で知らせることなどを盛り込んだ。職業紹介事業者だけでなく、求人者についても「虚偽の求人申し込みを罰則の対象とする」ことを定めた。

     新聞奨学生のケースに当てはめれば、新聞販売店が求人者であり、奨学生を販売店にあっせんする新聞社の奨学会が職業紹介事業者になると考えられる(図)。法政大学の上西充子キャリアデザイン学部教授は「関係法令を読む限り、奨学会を職業紹介事業者と見てもいいのではないか。改正法を活用して労働条件の速やかな明示を求めていくべきだ」と指摘している。

     

     

    ●新聞労連などがシンポ

     

     8月6日に、都内で「新聞奨学生と求人詐欺―改正職安法は学生を守れるか」と題するシンポジウムが開かれた。新聞労連と傘下の新聞通信合同ユニオンが主催。新聞奨学生の現役やOBを含め20数人が参加し、販売店でのトラブルの実情やその是正策などを話し合った。

     上西教授は、新聞奨学会の募集条件について「給料が月額平均で示されており、あいまい。労働時間も『1日平均6時間程度』などと表記されており、不明確だ」と批判した。

     奨学生からの相談を受けている新聞労連によれば、「年2回の賞与支給の契約だったが、もらったことは一度もない。月末までに80%の集金ができなかったからと給料支給を半月延期」「1分でも遅刻すると制裁制度がある」「店の自転車が全てパンク。走って300部を配っている時に寝不足もあり意識を失った。治療費5万円は自己負担」「バイクの修理代は自己負担。読者からクレームがあると罰金」などの内容が紹介された。

     奨学生OBからも「年間で休みは月1回の新聞休刊日だけ。実際にはその日も集金をやらされた」「休日に自転車修理や庭木の枝切までやらされた。住み込みなので断れない」などの経験が語られた。

     新聞奨学生SOSネットワークの村澤潤平さんは「募集時のパンフの内容と実態が違うことが一番の問題だ。その労働条件を見て、授業と両立できると考えたとしても、実態が違えば授業に出られなくなる」と指摘した。

     この食い違いをどう正していくのかについて、シンポでは改正職安法の活用を呼び掛けた。まずは、奨学会が職業紹介事業者に当たることを認めさせ、法規制の対象とすることを提案。労働時間を含め書面による速やかな労働条件の明示を求めることも訴えた。

     

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    コメント: 1
    • #1

      応援者の一人 (金曜日, 19 4月 2019 21:07)

      (1)夜遅くに企業の面接に出かける就活中の新聞奨学生に睡眠時間はなく、配達中の事故率がUPします。せめて、4学年目の学生には、販売店の責任者が、普段からの過重労働を軽減するべきです。
      (2)新聞奨学生は、故郷の親兄弟姉妹などに、真相を打ち明けませんが、その我慢強さが、かえって、不正な就労状況を助長させる一因になっていると思うのです。
      (3)住環境にしても、エアコンのメンテナンスもしてもらえず、事実上、使えない状況。窓を開けて風を入れるしかない猛暑のなか、睡眠不足のまま配達に行けば、これもまた、事故率を高めます。
      にもかかわらず、クレームを上司には言おうとしないケースがほとんど。にらまれたくないからなのでしょう。
      (4)道路の横合いから飛び出してきた人間を避けるために、バイクをガードレールにぶつけて、
      10分以上も気を失っていたその人は、散乱した新聞を事業所に取りに行き、配り直した後で、
      病院に行きました。ヘルメットには、ヒビが入っていました。にもかかわらず、ろくに
      診察もしてもらえず、レントゲンなどもなし。何でもないと言われたそうです。事故の後遺症と
      思われる症状が今まで、全くないとはいえません。字を書くと、右下がりになるのを、何度も
      目撃しているからです。上司に事故の報告をしなかったのは、信用を落とすから。労災が適用される
      ような事故なのに、何という過酷で不当な状況なのでしょうか!

      ・・・このほかにも、たくさんの問題点が山積しています。いまのままでは、酷過ぎます。
      前途有望な人たちが、ろくに大学の講義も聴けずに、卒業もおぼつかなくなるなんて!
      せっかく、善い素質を持った若者が、次第に心がすさんできて、変に大人びてゆかないよう、
      家族の方々も、応援してほしいです。
      わたくしがいま、支援している新聞奨学生が無事に、奨学生としての仕事を満了してからも、この
      深刻な社会問題については、何らかのアクションを取りたいと考えております。

      以上です。