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    22~26円の目安を答申/中央最低賃金審議会/地域間格差さらに拡大

     地域別最低賃金の2017年度の改定審議で中央最低賃金審議会は7月27日、厚生労働相に引き上げ目安を答申した。東京など大都市部のAランクは26円、静岡や京都などBランクは25円、北海道、福岡などCランクは24円、青森、沖縄などDランクは22円。政労使合意の内容である「おおむね3%程度の引き上げ」の通りで、昨年の答申に1~2円上積みした。一方で、地域間格差はさらに広がる公算が強まった。

     労働側は3年以内に800円以下の地域をなくすべきだとして30円程度の引き上げを主張。使用者側は、中小企業経営への影響などを訴え、大幅引き上げをけん制した。

     公益見解は「非正規労働者の処遇改善が社会的に求められていること」を重視。引き上げで最賃を下回る労働者の割合(影響率)が高まっているが、雇用者数が増加傾向にあること、賃金上昇率が上昇傾向にあることなどを指摘し、昨年とほぼ同率の引き上げを示した。

     仮に答申通りの引き上げとなれば全国加重平均は848円で、この水準を上回るのは、16年度と同様、東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、京都、大阪の7都府県に過ぎない。800円以上は9都府県から15都道府県となる。

     一方、地域間格差は、目安を当てはめれば222円に広がる。全国を4ランクに分け、経済指標の厳しい県の引き上げ幅が相対的に小さくなる現行の運用を続ける限り、格差は今後も広がり続けることになる。

     厚労省は、最高額と最低額の比率は縮まったというが、生活実感からかけ離れた説明だ。人口流出など地域社会の根幹に関わる問題でもある。これ以上の格差を防ぐためにもC、Dランクの底上げが急務だ。