「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    唐突な対政府要請を謝罪/高プロ制めぐる問題/逢見直人事務局長

     継続審議中の労働基準法改正案の扱いをめぐって揺れる連合。逢見直人事務局長は7月20日、情報労連の大会で苦言を受け、謝罪した。併せて原案のままでは健康・福祉確保措置が不十分だとし、修正を政府に要請したことに理解を求めた。

     政府に修正要請を行い、政労使で法案内容に合意するということは、法制化を事実上容認するのと同じ。この方針が7月8日の三役会で突然打ち出され、21日の中央執行委員会の確認を経ない日程とされたことに、組織内から批判が噴出。予定されていた19日の政労使合意は延期を余儀なくされた。

     逢見氏は「進め方などについて若干のコミュニケーションギャップ(意思疎通の不備)があったことについておわび申し上げたい」と謝罪した。

     罰則付きの残業上限を定める、新たな労基法改正案と一括法案にされることが濃厚との見通しを述べた上で、高度プロフェッショナル制度(高プロ制)については「範囲の限定は随分行われたが、健康・福祉確保措置が不十分」とし、年間104日の休日確保義務付けなどの措置を追加したと説明。21日の中執の確認を経て、政労使で法案の修正に合意するとの考えも示した。

     最後に逢見氏は次のように話した。「制度そのものに反対であるという基本姿勢は変わらない。そのことは今後も変わらずに主張していきたい。原案のまま国会を通過してしまうことへの懸念から、修正に手を打ったということなのでご理解いただきたい。働き方のルール、雇用が多様化する中で、セーフティーネットとしての労基法は非常に重要になっている。70年の歴史を持つ労基法。次の世代にしっかりしたものを残していきたい」