全労連や純中立労組でつくる国民春闘共闘委員会が7月15日、都内で行った「最賃・ディーセントワークデー」の宣伝には、「『ニート』って言うな!」「若者と仕事」などの著書があり、非正規労働の問題に詳しい本田由紀東京大学教授(教育社会学)が激励に駆け付けた。高度プロフェッショナル制(高プロ制・残業代ゼロ制度)に反対し、最低賃金引き上げの声を大きくすることが大切だと強調した。
本田教授は、最低賃金が時給1500円になったら何をしたいかを聞いたインターネットによるアンケートで、「病院に行く」「DV(暴力)夫と別れる」「学び直す」「子どもと一緒にいる時間を増やしたい」の回答が多く寄せられたことを紹介。
「最低賃金があまりに低過ぎるため、病院にも行けず、DV夫とも別れられず、学び直しもできない。シングルマザーは二つ三つ仕事をかけ持ちしても貧困率が極めて高い。こういう状態を放置していてはいけない。『賃金を上げろ』『私たちの労働に報いよ』という声を高く大きく上げていこう」と呼び掛けた。
連合が高プロ制の修正を政府に要請するなど、制度導入を事実上容認する行動を取ったことにも言及。「一部の労組トップの動きに対し、より広範な労働者が大きな声を上げることで方向性を是正させていく必要がある」と述べ、諦めを戒めた。
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