「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    分限免職を違法と判断/社保庁事件で東京地裁

     旧社会保険庁を年金機構に移行させる際に、分限免職(民間企業の解雇に担当)されたのは不当だとして東京地裁に処分取り消しを求めていた裁判で6月9日、判決が言い渡された。原告3人のうち、1人について「(長官らが)分限免職の回避努力を尽くさなかった」などとし、裁量権の逸脱・乱用があり違法と認定した。一連の社保庁裁判での勝訴は初めて。

     勝訴した原告は過去に懲戒処分歴がなく、社会保険庁から機構への正職員採用枠にも欠員が生じていたという。判決はこうした点に着目。「仮に追加募集がされていたならば、正規職員として採用された相応の蓋然(がいぜん)性もなお存した」と指摘した。長官の努力不足を認定し、処分を取り消した。

     国公労連は同日、判決を社保庁事件の完全勝利に向けた突破口にしようと呼び掛ける談話を発表した。