日本科学者会議のシンポジウム(6月25日、東京)では、ノーベル物理学賞受賞者で同会議代表幹事の益川敏英さんと、立教大学教授の香山リカさんが対談した。
益川さんは冒頭、憲法改正に走る安倍政権について「(解釈改憲を言っていた姿勢から)一線を越えたのではないか。われわれはなめられている。抵抗し、(この企みを)つぶす必要がある」と述べた。
香山さんが「政府は軍事研究について自衛のために必要とか、抑止力になるから必要と言っているが」と水を向けると、「ごまかしだ。本当に国のために必要な研究なら国会で正々堂々と議論すればいい」と厳しく批判した。
●社会に目を開け
研究者が社会の動きに関心を払わず、自分の研究に没入する傾向があるとの指摘に対し、益川さんはこう述べた。
「誰かが声を掛けて(研究室の外へ)連れ出し、世の中で起きていることを見せる必要がある。僕は若いとき、先輩に誘われて原発反対集会へ行った。賛否両論が割れている地域で大騒動の真っ最中。本当にびっくりした。そういうことをやるのが、ここの場所(科学者会議)ではないか」
最後に、学生たちの状況について「自分の研究と外の世界が切り離されている状態は良くない。教師が教えるのではなく、いろんな分野の学生が集まり、自主的に議論する場が必要だろう」と語った。
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