データ入力は99%、歯科技工士の仕事は97%…。約700の仕事について、将来(今後10~20年以内)AIに取って代わられる確率を示したオックスフォード大学の調査(2013年)は、AIと雇用に関する最もシビアな予測だ。
調査は、各仕事のスキルをAIやロボットがどのくらい代替できるのかを、現在の技術と今後の進歩予測を基に推測したもの。米国では、全労働者の47%が仕事を奪われるという。
例えば、自動運転技術が急速に進歩していることを踏まえ、タクシーやバスの運転手は89%が失職。事務職も軒並み高い確率で、受付係や会計担当、法律事務などは90%以上が仕事を失う。専門職・技術職も例外ではなく、モノや機械、データを相手にした仕事は7~8割の確率で仕事を奪われる。
慶應大学理工学部の山口高平教授は「知識労働者の仕事であっても、ルーチンワーク(定型的業務)はAIに置き換えられる」と分析する。ただし、一つの仕事が丸ごと置き換えられるのかについては懐疑的。「96%の確率でなくなるとされた受付係の仕事にしても、(笑顔など)人間にしかできない対応がある。AIの受付が増えれば、人間による受付係の価値が高まる」と話す。
一方、AIへの代替困難な仕事の要素には、(1)創造性や創意工夫(2)手先の器用さ(3)社交性――の3つがあるという。小中学校の教師など人と向き合う仕事の代替可能性が低いのはそのためだ。(続く)
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