連合の神津里季生会長は6月1日、参議院で審議中の共謀罪創設法案(組織犯罪等処罰法改正案)について、基本的人権や労働組合の活動保障の点で重大な懸念が拭えないと指摘し、「取り下げを求めざるを得ない」と語った。同日、熊本市内で開いた中央委員会でのあいさつ。
神津会長は、閣僚らによる相次ぐ暴言や、加計・森友学園など特定の学校法人と安倍首相との関係をめぐる疑惑に触れ、「現政権は深刻なおごりと不信に覆われている」と指摘。政府与党が共謀罪法案の採決を衆院で強行した経緯を振り返りながら、「テロなどの国際的凶悪犯罪への対策は強化する必要がある。しかし、(共謀罪法案は)3回廃案になった法案。『テロ等準備罪』と呼び変えたが、基本的人権や、労働組合の活動保障との関わりで根本的な懸念がある。法相の答弁は極めて不安定で、その懸念が拭えたとは到底いえない」と強い口調で語った。
与党はあくまで会期末(18日)までの成立を狙う構え。神津会長は「国民の不安が高まる中で採決だけが強行されることは到底許されるはずがない。将来に禍根を残さないためにも、良識の府である参議院での徹底審議が必要だが、(現時点では)法案の取り下げを求めざるを得ない」と語った。
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