「犯罪者を取り締まるのが目的ではなく、取り締まりたい人を犯罪者にするのが共謀罪法案だ」
こう指摘したのは、新聞労連の小林基秀委員長だ。5月31日に都内で開かれた「共謀罪法案の廃案を求める市民の集い」での発言。あるジャーナリストが「テロ行為の陰謀」の疑いを掛けられてスマホやパソコンを押収された事例を紹介しながら、「警察が欲しかったのは情報であり、(その点は)共謀罪も同じ。誰もが自由にものを言える成熟した市民社会に逆行する」と批判した。
この日の集いは、アムネスティ・インターナショナル日本などの市民団体をはじめ11団体でつくる実行委員会が主催。会場の日比谷野外音楽堂に入りきれない人を含め4700人が参加し、廃案を訴えた。
29日には、金田勝年法相が「人権・環境団体も共謀罪の対象になり得る」と発言し、市民団体からは懸念の声が相次いだ。
グリーンピース・ジャパンの米田祐子事務局長は「環境を守るためには、権力に立ち向かうことも必要になる。その時には信念を持って言うべきことを言い、行動しなくてはならない。それを保障するのが民主主義社会であり、(市民団体も対象とする共謀罪は)民主主義への脅威だ」と厳しく批判。アムネスティ・インターナショナル日本のコーディネーター・山口薫さんは「人権のために働くのは人間の尊厳を守るためだ。諦めずに廃案を目指そう」と訴えた。
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