日本弁護士連合会が5月18日、都内で共謀罪に反対する集会を開き、約600人の市民が参加した。基調講演した木村草太首都大学東京教授(憲法)は「共謀罪はテロ対策でもなく、国際組織犯罪防止条約批准のために必要でもない」と指摘。世論調査で賛否が分かれている点について「まだ真実を知っていない人が多いということ。(反対意見の)伸びしろはある」と述べ、世論の盛り上げを訴えた。
木村教授は、政府が「テロ対策のために共謀罪が必要」と主張している点について反論した。
「日本には既に『テロ資金提供処罰法』がある。未遂、計画段階で罰することが可能だ。犯罪の『下見』や『資金提供』はこれで処罰できる。屋上屋を重ねる共謀罪法案は不要だ」
条約批准のためという政府の言い分についても「この条約はマフィアによる経済的利益を犯罪対象としており、テロなどの政治犯罪は対象ではない」と強調。条約を批准したからといって、テロ対策にはならないと解説した。
その上で、「頭の中で考えて下見に行ったことを処罰するのは、憲法31条が禁じる罪刑法定主義の観点から問題となる」と述べた。
集会では9人がリレートーク。山田健太専修大学教授(ジャーナリズム論)は「警察の捜査手法・権限の拡大が共謀罪の目的。不要なものはつくらせないことだ」と訴えた。
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